調査リリースを最大限に活用して、商品のPRにつなげた例がある。
医薬品メーカーのエーザイの花粉対策商品「クリスタルヴェール」のリリースだ。本商品は鼻の周りにジェルを塗り、イオンの力で花粉の侵入を防ぐというもの。薬のデメリットである、眠くなる副作用や、マスクをつかわなくてよいというメリットがある商品である。
ただ、本商品は薬やマスクとちがい、消費者にとって慣れ親しんだ商品ではないため、なぜ効果があるのか、どんなメリットがあるのかをしっかりと伝える必要があった。そのため、テレビCMなどのマス広告で商品の認知をあげる前に、商品が受け入れられる土壌をつくる必要があった。
そこで、実施したのが「マスクに関する意識調査」を掲載した調査リリースである。
「マスクをすることをどう感じるか」「マスクをしている人の印象」を調査し、メディアに配信。その結果、「マスクはできるだけしたくない」という調査結果が多くのネットメディアに取り上げられた。
このように「マスクを使用したくない消費者が多い」という事実を広め、クリスタルヴェールの商品が受け入れられる土壌を作り、その上で調査結果を基にしたタレントのトークショーを実施し、タレントが「合コンでマスクをした人の印象など」調査結果に対する感想を交えながら、商品のPRへと結びつけた。
その結果、テレビではイベントとともに、商品とその特性がしっかりと紹介され、その後、満を持してテレビCMが開始された。
(調査リリース配信→ネットメディアでの掲載→タレントトークショーイベントの実施→テレビCMの開始)
調査リリースによって、本商品が必要であるという土壌をしっかりと固め、それを軸にしてイベント、テレビCMの効果を最大限に発揮させ、商品売上の向上へと戦略的に結び付けていった事例といえる。